町家セルフリノベVOID一級建築士事務所
京阪 清水五条駅から徒歩2分という好立地なのですが、
借り手の見つからない長屋の賃貸物件がありました。
細い路地の突き当たりにその長屋はあり、
2軒長屋なのですが、
隣りは倉庫として使われており、
路地の途中には廃墟のような古民家があり、
正直、慣れるまではやや不気味な感じに思えました。
長屋の一区画はこのような内部で、
壁はプリント合板と呼ばれる、印刷された木目の板で覆われていました。
2階はこんな感じ。
壁は漆喰で古びた柱が良い感じなのですが、
天井はこちらもプリント合板。
印刷の木目がいかにもニセモノ感があります・・・。
本物の木ではないので、古びても味が出ません。
天井の一部がめくれかかっていて、ガムテープで押さえつけてあります。
改修工事OKという条件での賃貸物件なので、
天井をめくってみることに。
かっこいい丸太の梁が見えてきました!
押入れがあった場所を漆喰で補修。
古い畳を踏むと、その下の床板がギシギシと鳴っていたため、
畳を撤去して床の補強と新しいフローリングを貼ることにしました。
まず、床の補強。
ホームセンターで合板を購入し、ビスで留めつけます。
フローリング材は、本来は「フローリング材」として売られているものを使うのが通常ですが、
今回、材料費を極力かけないようにしようと思い、
ホームセンターで910mm×1820mmの大きさで、一枚1,000円ぐらいで売られている、
合板を細くカットした材料を塗装してフローリング材にすることにしました。
細切れにした板をカンナで削り、ささくれたトゲが刺さらないようにしています。
並べるとこんな感じに。
塗料はこの三色をチョイス。
水性のオイルステイン塗料です。
オイルステイン塗料は、木目を美しく見せることができます。
本当は、天然由来の油性のオイルステイン塗料を使いたいところですが、
塗料を拭き取った布の管理をキチンとしないと、
自然発火する性質があるため、
火災の原因になります。
今回は水性のオイルステインにしました。
三色塗っていきます。
敷き詰めていきます。
なぜか、敷き詰めながらキンピラゴボウを連想してしまいました。。。
1階の印刷された木目の板、プリント合板の壁はペンキで白く塗っていきました。
水性塗料でツヤ消しをチョイス。
塗装にムラがありますが、
これはこれで良い味を出しています。
1階の床もギシギシと音が鳴っていましたが、
補強してフローリング材を貼っていきます。
できた!!
この空間に、アーティスト角野充さんの作品を展示しました。
青い色をテーマに創作活動をされているアーティストさんです。
夜になるとこんな感じに。
2階はこんな感じの展示に。
オープニングパーティを開き、
青いビールで乾杯しました。
青をテーマに、
青といえば空、空といえば宇宙ということで・・・
京都大学花山天文台の玉澤春史さんに、
宇宙に関する講義をしていただきました。
いかがだったでしょうか。
今後、この長屋のスペースをアーティストさんの発表の場所、
創作活動を行うアトリエ、工房として活用していく予定です。
また、安価な材料で工事を行うことを今回の長屋プロジェクトのテーマとしました。
労力や手間は掛かりますが、
資金的に低予算に抑えたい学生さん、
あるいは、
独立、起業する方も、
初期費用は極力抑えたいもの。
そんな場合に今回の方法はヒントになると思います。
void architects一級建築士事務所では、
不動産探し+建築設計デザイン+DIY工事+イベント企画
の横断力で、
レトロ不動産にモダンさやアートをプラスしていく、
レトモダ不動産プロジェクトを行っていきます。
このような活動に適した賃貸物件探しのご相談、建築に関するご相談をお待ちしております。